プロバイオティクス

img_20160718_090941プロバイオティクス=”腸管常在菌の細菌叢バランスを改善することにより動物に有益な効果をもたらす生きた微生物”という概念は古くからあるようなのですが、特にお年寄りや子供さんなどには有効で、また抗生剤が使いにくい場合にはとくに有効なようです。右にあるのはある病院での掲示物ですが、ヤクルトによるプロバイオティクスセラピーの例です。免疫力を増強するために、毎朝一本ヤクルトを飲むそうです。その費用は病院で負担していただけるとのこと。大きな病院ですから効能等が十分にあると考えられての導入なのでしょう。

すばらしい~~~

オーラル プロバイオティクス セラピー

なにかと話題になるプロバイオティクスです。プロバイオティクスとは”腸管常在菌の細菌叢バランスを改善することにより動物に有益な効果をもたらす生きた微生物”(1989,Fuller)と定義されています。有名なところではビフィズス菌とかブルガリア菌が知られています(グリコと明治のリンクに飛びます)。このようなプロバイオティクスを使った治療を”プロバイオティクスセラピー”といいます。

ところで、最近気がついたのですが、かみ合わせが悪い人、歯槽膿漏がある人など口腔にトラブルのある方には同時に便秘がちだったり、下痢しがちだったりとお腹の調子も悪い方が多いように感じました。これは当然で口腔内の細菌叢は、胃や腸の細菌叢の形成に大きくかかわっているからです(口は胃や腸の入り口ですからね)。言葉をかえると口腔内に悪玉菌の細菌が多い人は胃腸にも悪玉菌の細菌が多いわけです。となると抗生剤を服用すると歯周病も治り、胃腸の調子もよくなりそうですよね??けれどもそうはうまくいきません。

img_20160921_165114口腔内でいえば、歯周病原因菌やう蝕病原菌をブラッシングや抗生剤で減らし、一時的に細菌量を減らしたとしても必ずもとに戻ります。また、抗生剤の安易な使用(乱用)は避けるべきです(MRSAなどの耐性菌の発生などの問題から)。そのような意味から症状のない歯周病菌に対して抗生剤を大量に、長期に服用するような治療は慎むべきだと思います。もしものときに抗生剤が効かないとなったら大変でしょ?もしもの時に使用するのが抗生剤でしょ??

では、どうしたらよいのでしょうか?? そこで”オーラル プロバイオティクス セラピー”です。

写真にだしたBioGaia社による製品である”プロデンティス”には”L.ロイテリ菌”が含まれており、歯周病やう蝕の予防効果が期待できます。ライオンからも”歯科用オーラルヘルスタブレット”がでておりこれには乳酸菌[TI2711](乳酸菌LS1)が含まれています。主に”L.ロイテリ菌”はスーパー プロバイオティクスとでもいうか、口腔内だけでなく、胃腸に作用して、下痢、ピロリ菌およびアレルギーなど様々な範囲に効果があるといわれています。それに対して乳酸菌TI2711は口腔内から分離されたプロバイオティクスで、口臭や歯周病予防に効果があるといわれています。

最初に口腔内の細菌を減らすために衛生士さんに、メンテナンスをしてもらい、口腔内の総細菌数を減らします。そこでプロバイオティクスを服用していただいて、悪玉菌の増殖を抑えます。それにより、歯周病やう蝕の予防を目指します。また、腸内細菌を整えることにより様々な恩恵が受けられると思います。