CTとマイクロのコンビネーション その4

大学の同期の先生からの紹介でした。ある患者さんが症状がひかないので困っていると、、、(治療したのはまた別の先生で、患者さんから、相談をうけたらしい、)でなぜか、まわってきたと、  来る者は拒まず、ただ直すのみですね。

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なんとなく、むかって右のほうの上顎洞は曇ってます。CTでみてみるとシュナイダー膜の肥厚も見られます。CTからは確実に病巣はありますし、まあ、位置的にはMB2の存在も考慮しなければなりません。前医の先生はCTも撮影して奥の7が原因と診断されて、、まあ、大丈夫だからとクラウンをいれたとか、、、、、、

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クラウン(自費でした)を外してメタルコアも頬側根のみ外しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

2014_11_28_103331_0000_20141128_000で根管治療中、口蓋根には病巣がなかったことと、患者さんが大枚をはたいてクラウンを入れていて、また使いたそうだったので、口蓋のメタルコアは外してません。頬側第二根管を見つけて、ここを拡大、洗浄してお薬いれて症状が引くのをまちます。CTでみても、シュナイダー膜の肥厚が取れてますし、患者さんも症状が引いたとのことでした。遠心根は前医の先生がやや、拡大しすぎていたようなので、MTAで根充して終了です! 。症状もとれて、患者さんも満足していただきました。僕もこのような困難症例がきちんとなおせて自分のスキルアップを確認できた症例でした。

この症例も、CTでの診断=MB2の存在、マイクロスコープ下での治療=MB2の清掃・拡大 この2点がなければ決して治らない症例だったと思います。

MTA

DSC_0203710.026MTAとは mineral trioxide aggregate の略であり、今現在では最も根管治療等に使用した場合に予後がいいと思われる、大変すばらしい材料です。
反面、非常に高価である、充填操作が困難、保険算定(覆髄はOK)ができないという欠点もあります。

この材料の登場により、今までは必ず抜歯となったパーフォレーションのリペアもできるので、特に歯の保存治療にはなくてはならない材料です。また、根管治療のみでは治らない場合、とくに逆根管充填には必須の材料です。パーフォレーションリペアや、逆根管充填の症例はまた、いずれ出します。

 

 

CTとマイクロのコンビネーション その3 MTA使用

嘘のように聞こえるホントの話なのですが、、

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 患者さんによると、この歯15年近く調子が悪かったらしいです。”これ以上どうにもならないので、次回、冠を入れます”、と宣言されて困って転医された様子です。パノラマでは一見、絶望的ですが、、、CTで見てみるとさらに、、、

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 CTでみると、更に絶望的な感じです。ただ、何故か根管充填はアンダーなのでなんとかなるのかな?と思い治療開始しました。ただし、十分にお話をさせていただいて、だめなら、諦めると、

で、マイクロで覗いてみると意外に何とかなりそうな感じが、よ〜く覗いてみると頬側根は先の方で2つに分かれているのがきちんと根管充填できなかった原因と推察されました。このあと、ラバーダムかけて、根管洗浄して貼薬すると、なぜか、症状は治まりました。”ダメ元”宣言してたのですが、なんとかなりました。

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このあと、それぞれの根管の形態に合わせて、根管充填法を選択しました。口蓋根はMTAで、頬側はCWCTでは困難そうだったのでNTコンデンサーで行いました。現在テンポラリーで様子見てます。