歯性上顎洞炎?

CTを撮らせていただくと、思いがけないものが映ることが多々ある。特に上顎の6番ではある。この歯に根尖病巣があると、歯の症状はなくとも鼻に症状が出ることがおおく、鼻炎が引かないとかの、上顎洞炎の原因となる(歯性上顎洞炎)。この場合、抗生剤も一時的なもので、あまり効果もないことが多く、原因が歯の場合は原因歯の治療が一番効果だとおもわれます。(原因を叩かずして治るはずがない)

しかしながらこのあたりの治療は診断から治療まですべてが困難です。

  1. 診断の困難さ。一般にパノラマとかデンタルとか言われるx線では歯性上顎洞炎と一般的な副鼻腔炎の鑑別はかなり困難であるとおもいます。そこでCTで根尖部を詳細に精査して判断します。逆にいうと歯科用CTでの原因歯の撮影が必須です。
  2. 治療の困難さ 簡単な治療でなおればいいのですが、抜歯せずに治療するのはかなり困難です。言い換えるなら、根管治療がかなり難しいのです、特に上顎6番の近心頬側第2根管は歯科用マイクロスコープがあっても困難です。ここも逆説的にいうならマイクロスコープがなければ、絶対無理といえます。
  3. 上顎6番の近心頬側第2根管は統計的には約60%の確率で存在するそうですが、なんせ細くて、0.08mmの器具を挿入するのも大変です。>>根気が必要です。これについてはEr-YAGレーザーによる歯質の蒸散が適しているような気がしますが、まだ、未検討でレーザー自体がかなり高価です。