マイナンバー

マイナンバーについて

昨今、マイナンバー制度がスタートし、そもそもこれなんの制度なの?みたいな感じもあります。歯科医師会で勉強会を行い、その感想を書かないといけなかったので書いてみた。まあ、なんだ。個人情報が〜〜とかいっても***電気とかで無料抽選会とかうまい棒もらいで名前など個人情報集めてるのに、マイナンバーは嫌とかよくわからん!!うまい棒は好きだけど、、

 

 

 

平成27年度税務講習会が12月2日水曜日19:45~から福山市歯科医師会館にて開催されました。今回の講習会は“社会保障・税番号(マイナンバー)制度について”というタイトルで、福山税務署 個人課税第一部門統括国税調査官 **** 氏を講師にお迎えして行われました。

例年の税務講習会とは異なり、昨今話題になっている“マイナンバー”についてのお話とあって、70名近くの参加者があり、制度への関心が非常に高いことが伺われました。

ところで、アメリカでの社会保障番号制度(ソーシャルセキュリティナンバー)は1936年にスタートし、形を変えながら運用され、いまではそれなしには社会が機能しないまでのものとなっています。面白いことに、この社会保障番号制度は、スタート時には徴税制度の一環であり、個人の身分証明には使用しないとされていたらしいのですが、年とともにいろんな方面に応用され、いまでは事実上の国民識別番号となっていることであります。例えば、アメリカ軍の認識票にはこの社会保障番号が名前、血液型などと共に刻印されているそうです。

日本においても、マイナンバー制度が導入され、この制度は徴税の公平性や身分証明のために使用されます。講習会を通じて感じたのは、マイナンバー制度がアメリカその他の国の社会保障番号制度を参考によく検討してあり、その欠点(主に情報管理)についての対策がきちんと練られていることです。まあ、こればかりは実際に運用されないとわからないかもしれません。

といいながらも、平成28年よりマイナンバー制度は早速運用され、社会保障、税および災害対策の3分野を中心に利用が始まります。我々も、従業員の源泉徴収票作成のために、また雇用保険のためにマイナンバーを預からないといけない立場です。さっそく、従業員に正しい説明を行い、正しくマイナンバーの運用を行わなければなりません。今回の講習会ではそのマイナンバー制度についての正しい知識および運用を教えていただきました。

また、一方で、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会は「医療等IDに係る法制度整備等に関する三師会声明」を出しており、2018年よりマイナンバーと連携した医療用IDの導入を目指しているようです。これについて、最近の報道では医療用IDの管理をマイナンバーと切り離し、キーIDを付与し、複数医療用IDを運用するという提案がなされたらしいのですが、、、えっと、やっと慣れたレセコンですが、仕様変更がしばらく続くということでよろしいでしょうか??

まあ、なんにせよ情報管理の大切さ、複雑さという問題は一朝一夕には解決しない問題で、今後さらに複雑になると思われますので、委員会を通じて勉強をしていきたいと思います。

保険・医療管理部 伊東孝介

反対咬合の治療

術前
術前
術前

 

最近のお子さんは、歯の萠出がやや早いように思います。萠出が早いということは、言い換えるなら、顎骨の成長が充分でないのに、歯が生えてくるということ。萠出に際して、位置が異常な場合がありますが、放置できないのは上顎の歯が下顎の歯の後ろに生えてくることです。(いわゆる反対咬合)

できればこのような場合は、矯正を行いたいところです。写真の子供さんもこの後すぐに矯正装置を入れさせてもらいました。やや、深めに咬合するまでつけてもらいました。きれいになって、めでたし、めでたし。まあ、この矯正が成功するのは、タイミングが一番重要です。萠出の方向が危ない時にそれを修正するように装置をいれることが、すべてのような気がします。ということで、保護者の方の気付きもしくは毎月のメインテナンスが重要です。

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術後

 

シーラント

シーラントを行っている動画を作って、YouTubeにアップしてみました。

シーラントとは、萠出したての永久歯に対して、小窩裂溝のう触を予防するために行う処置です。

シーラントのリスクとして、脱離(いろんな報告がありますが、3年で4割という報告もある)とそれに伴う2次カリエスがあると思いますが、Er:YAGレーザーで小窩裂溝にある汚れもしくはカリエスを蒸散することで、無駄な歯質の削除をさけつつ、シーラントの効果を上げることができると思います。

感染根管治療 と 抜髄

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22右下の7番のカリエスで、他院よりの依頼です。また、6番にも大きな病巣が見られます。パノラマX線でここまで明瞭に見られるのは珍しいんではないかと思います。7番については、根管がかなり曲がってますが、最初の段階からきちんとすれば大丈夫そうです。ただし、湿潤麻酔が奏功するか心配でした。そこで、患者さんには予め下顎孔伝達麻酔を行う旨を説明させて頂いて、処置にとりかかりました。けれども、伝達麻酔でも歯の神経の除痛は完全ではなかったため、湿潤麻酔、および髄腔内麻酔を併用しました。(麻酔のフルコースです。)これで、麻酔が十分に奏効したので抜髄を行いました。最初の08ファイルで十分に時間をかけたので、1時間30分ぐらいはかかりました。根管が長く、また根尖での湾曲も強かったので#25番までの拡大として、後日根管充填しDB1504200146_150701190744ました。根管充填の際も、湿潤麻酔、ラバーダムを行ってからの処置だったので1時間ぐらいかかったかな?もう少しストレートラインアクセスを大きくしても良かったかもです。遠心根が太く見えますが、これは根が扁平だからです。 下の7番の抜髄は疲れる〜〜ですね。さて、7番が終わったら今度は6番です。根管を開けてみると近親頬側根からの排膿が激しかったのでここが、原因根と考え治療を開始しました。かなり、若い頃に抜髄をしたのか、今度は#40のリーマーもするする入っていきます。拡大もしっかりして、今回は根管洗浄を十分に行っての根管充填です。根管充填の方法はCWCTです。若干シーラーがはみ出てますが、特に問題はありません。この後は、紹介元の先生にしていただくようにお話しました。

近心頬側第2根管の探索 (How to use the …)

DSC00715回も、近心頬側第2根管(MB2)のお話、近心頬側第二根管の発現率は、40%~70%といわれているが(数々の報告があり、人種や年齢でも違う。)、最近の自分の感覚ではやはり、60%程度はあるのではないかと感じる。とくに感染根管ではその原因となっていることも多いので、ここを探せるかどうかは、その歯を保存できるか、抜歯になるかの重要な分岐点になると思う。また、歯の症状はなくとも、歯性上顎洞炎の原因になっていることも多い。(歯の症状はないものの、鼻閉感や偏頭痛の原因となる。)

今回もレーザーを用いて近心頬側第2根管を探せた例を挙げたいと思う。この症例は何年か前に本院でしたものでした。まだ、CTや歯科用顕微鏡もなく、近心頬側第2根管を探すことも困難な時でした。案の定,膿が溜まってきて、咬んだらいたいと、、、すいません、DSC00718

レントゲンでは原因根が近心頬側根管のように思えたので、近心頬側第1根管の拡大不足もしくは近心頬側第2根管の存在を疑って治療を進めました。慎重に近心頬側部位のみを削除し、近心頬側第1根管を清掃しました。やはりここは、きちんと処置ができていました。そこで、近心頬側第2根管の存在を疑い、清掃をおこなうこととしました。まずは、怪しいところにレーザーを当てると、歯髄組織もしくは柔らかな象牙質が白濁しながら蒸散されます。

右の写真のティアドロップ形にみえる部分です。ここが近心頬側根管が横に伸びている”フィン”か、もしくは近心頬側第2根管とつながっている”イスムス”と呼ばれる形態なのです。(フィン イスムスでググるとやっぱり歯の解剖学が引っ掛かる、、)

DSC00722それを判断するために、先の小さなファイル(先端径0.08mm)で探索します。(レーザー処理では切削片が出ませんので、EDTA処理は不要ですが、奥の方向に探索しやすいように、あらかじめ、次亜塩素酸溶液で洗っておきます。)これで、ファイルが進む感じがあれば、イスムスと判断して、さらにレーザーで処理を行います。

経験的にですが、フィンもしくはイスムスは約45度程度の角度で近心方向に湾曲し、その後頬側方向に再度湾曲します。この第一湾曲と第二湾曲は0.5mm程度、長くても2mm程度の長さと非常に短く、この長さの部分をきちんと処理することが、近心頬側第2根管の処置の”ツボ”だと思っています。ファイルの先を押し込んで抵抗が強くなると第二の湾曲が近いので、無理をせず、ファイルを一旦抜いて、レーザー処理を行います。すると第一湾曲と第二湾曲の間が処理でき根尖まで容易に拡大ができます。あとは、これを滑らかにつないで拡大終了です!!

まあDSC00725、うちの歯科顕微鏡は安物かもしれませんが、歯科用顕微鏡(マイクロ)、レーザー、CTのコンビネーションは抜群ですね。自分でも、よくここまで処置ができるようになったものだと感慨深いです。(自画自賛~~~)

 

 

シーラント using Er:YAG laser

術前
術前

 

3月という年度末、また、新学期への準備のためか、この季節、若い人を診ることが多い。若い人で、う蝕ではないけども、今後う蝕になりそうな永久歯に対する処置としてシーラントがあります。

永久歯の溝に汚れがつまっています。汚れは結構頑固で取れにくいものです、探針(細い針のような道具)でかきとっても、溝が狭く深いので、きっちりと汚れは取れません。とれるようならそもそもシーラントをする意味もないかもしれません。教科書的には 1ラバーダム 2:機械的清掃 3:化学的清掃を行うのですが実際はそこまで行えないことも多いのではないでしょうか?

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探針とMIバーでの清掃?

顕微鏡下でみると、探針でこそぎ落とせるものでもないし、一番細いバーでも結構太いものです。

なんとか、この汚れを確実に除去し、できれば健康な歯質を削らない方法はないものかと考えてみました。

そこで、Er:YAG レーザーの出番です。出力を上げすぎないように、顕微鏡下で、裂溝を清掃していきます。どうしても、周囲の健康なエナメル質はレーザーによってエッチングされますが、シーラントやレジン充填であれば、充填の前にスライド3歯面処理(酸エッチング)を行うことが前提ですので、無問題です。できるだけ、レーザーの出力をしぼり、ゆっくりと動かすのがいいようです、顕微鏡下では汚れが確実に除去でき、裂溝の深部まで観察できます。

その後、通法通り、酸処理してシーラントを行います、顕微鏡下では、確実に防湿できているなら、シーラント材が裂溝に浸透する様子が、確実にわかりますし、気泡の混入も防げます。

スライド4

 

 

 

近心頬側第2根管の探索 (Er:YAGレーザーの応用2)

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これも、狭い根管上顎の6番近心頬側第2根管をEr:YAGレーザーにて探した症例、向かって左のほうに03、探したい場所があります。この根管はすでに、専用の超音波スケーラーにて探索中です。超音波スケーラーでもいいのですが、短所として、切削片がでて、根管孔が詰まる。なにより、先端径が大きすぎます。赤の線で囲ったところが、超音波スケーラーで削ったところ、、青い線で囲ったところが、怪しげなところで、もう切削片が詰まりかけてます。ここに、Er:YAGレーザーを用いて、歯質の蒸散を行い、根管を明示していきます。チップの先端は、0.4mmと細く、超音波スケーラーで削った窩洞より一回りは小さいことがわかります。赤いのはガイドで実際のレーザーではありません。Er:YAGレーザーは先端から、少量の水と風が出てます。レーザーでごく表層の歯質を蒸散しますので、削りかすは次々に洗われていきます。顕微鏡で覗きながらしてみると、まさに”根管が開いてきます”。これは、レーザーを軟組織、硬組織が混在した部位に当てていくと、最初に軟組織が蒸散されます。次に、硬組織が蒸散されるのですが、接線効果のように硬組織のエッジが蒸散されると思います。ですので、根管やフィンのありそうな部位にレーザーを当てると、まさに、現れてきます。今回の症例でも、切削片を除去しつつ、綺麗に根管が現れてきました。

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歯性上顎洞炎について

本院でもCTを導入してから、時間がたつが、CTを撮影してみると、歯性上顎洞炎という病気が意外に蔓延していることがわかる。原因は色々考えられるが、考えられるのは、”根管治療の成功率の低さ”だと思う。次に考えられるのは”耳鼻科との連携不足”であるように思う。

根管治療を困難にする要因は色々あると思うのだが、一つ要因としてあるのは、保健点数の低さは否めないのではないだろうか、また、それと最近になってインプラントの普及もそれに拍車をかけているように思う。根管治療は保険治療になるので、歯科医院の収入には全く寄与しないし、それどころか、時間ばかりかかって大赤字なのでこれを丁寧にするのはよほどの物好きでないとできないと思う(あれ?だれのことだ??)。確実に治ると言い切れない、もうからない治療(根管治療)と保険外治療で約30万程度するインプラント治療を歯科医院経営の立場から考えると、どちらを選択するであろうか? 火を見るよりも明らかである。けど、もし自分が患者だったらどちらかは、、、これもどちらを選択するかは明らかな気がする。

話がそれたのでもどすと、あとの要因として、CT無しには診断が困難だと思う。ただのパノラマとかデンタルX線では歯性上顎洞炎の診断は困難すぎるし、多分CT無しには歯性上顎洞炎と診断できても、どの歯が、また、どの根管が原因かわからないので、根管治療の成功率は低くなると思われる。Google で”歯性上顎洞炎”をキーワードに引いてみると、治療方法としては抜歯がかなり多いというか、実際根管治療を勧めている例はあまり見ない。多分に歯性上顎洞炎=抜歯もしくは内視鏡下副鼻腔手術という図式が成り立っているように考えられる。もちろんその背景にあるのは根管治療の低い成功率であると思う。

上記の根管治療を困難にする要因は、歯科用顕微鏡とCTの応用、さらには最近ではEr-YAGレーザーの応用にてほぼ解決できるようになったのではないかと考えている(Er-YAGレーザーの応用については、エビデンスはまだないと思うが、個人的には特に有用と感じている)。言い換えるなら、今までの方法では中途半端結果しかでない根管治療も歯科用顕微鏡、CTおよびEr-YAGレーザーの応用で確実な治療結果がでると考えられる。

次の、耳鼻科との連携の点であるが、これもまた、難しい~~。実際の症例で、約2年ほど歯性上顎洞炎に投薬のみを受けていた患者さんとか、耳鼻科>脳外科と受診しても原因不明とされてたりとか、歯性上顎洞炎が原発だと思うんだけど、耳鼻科で”手術と入院が必要!!”とか言われていたりとか、、、

”現代の歯性上顎洞炎”という本が書かれていたので読んでみたが、歯科医から見ても根管治療など丁寧に解説してある。インプラント周囲炎の話などは本当にすばらしい。しかし、読んでいて違和感を感じざるを得ないことがある。多分それは、筆者の先生の”根管治療への信頼感の低さ”だと思う。特に、最近の根管治療は丁寧にやれば治ることのほうが多いと思う。原因が歯であればまず、根管治療を行い、上顎洞に慢性炎症が残るなら耳鼻科的治療をするべきではないかと思うのだが。本の中にも触れてあるのだが、”上顎洞炎の原因が歯であると軽々に言わない”(無用の騒動の元)ありがたい言葉なんだが、もし、耳鼻科医と歯科がきちんと連携できていれば、お互いの治療の治療技術やその限界を理解しあうことができるなら、と考えるのだか、(現実はそんなに甘くないんだよな~~~~)

 

歯性上顎洞炎は歯科医がCTで確実に診断する、顕微鏡下できちんと根管治療する、耳鼻科でフォローしていただく、のがよろしいかと。

 

近心頬側第2根管の探索 (Er:YAGレーザーの応用1)

ホーム図

タイトルの通りなんですが、歯根の中の細い、細い空間のお掃除です。CTなどでまあ、予測はつくのですが、掃除はかなりむずかしい、汚れとかセメントとかを切削器具で掃除すると、切削片がつまるし、あまり水がでると視野が取れないし、そこで、Er:YAGレーザーを応用してみました。レーザーでの蒸散は歯質をそぎとるような感覚で、微細な幅を浅く、切削片を出さずに削ることが可能です。左図の黄色の中央あたりに近心頬側第2根管がありそうです。そこで、緑の線で囲んだところをEr:YAGレーザーで蒸散切削してみました。右図の白矢印で示した通り器具がはいっていきました。やれやれ、